どうもどうもしらすです。
前の記事で子に口唇口蓋裂という先天異常があることが分かったことを書きました。
前回では口唇口蓋裂とはどんな病気か。また、診断されたときの状況説明的なことを書き残したので
今回の記事では「今現在やこれからのことについて思ってること」なんかを書いていこうかなぁと思います!
まず始めたことは情報収集
「立ち向かうにはまず相手を知る」じゃないけどとにかく情報収集を始めました。
ネットやSNSで調べるのはもちろん、本を買ってみたり、Youtubeを見たり、もう一度コウノドリを見返したり(笑)
さすが500人に1人という高い割合で発生する症状なだけあって情報も多いなと思いました。
医療従事者だけでなく、当事者の方やその親御さんなど一般の方もたくさん情報を発信してくれていてとても助かりましたし励みになりました。
その中でも一番参考にさせて頂いた情報はやっぱり当事者の方達の声でした。
"治る病気"と言われているけどやっぱり鼻の下に手術痕が残ったり、鼻や唇に歪みが残ってしまい長きにわたってコンプレックスになることも多いようです。
外見、ましてや顔の問題です。
小中学生などの思春期には外見いじりやイジメ、世間からの好奇の目に晒されて悩む人の声もたくさん見ました。
いくらや医者や親や周りが「全然わからない!綺麗に治ったね」と言ったところで本人が納得できなきゃ何も解決されてない問題だってことも分かります。
だってさぁ、これはそうだよね。
皆多かれ少なかれ外見にコンプレックスを持ってる人は多いですよね。
私も昔からずっとエラが張ってて顔が大きいことがコンプレックスです。
エラ張り家系の母親譲りのもので母も、叔母さんも、おばあちゃんも皆エラが張ってます(笑)
どんなに周りから「え?言うほどエラ張ってる?」とか「そんなに顔大きくないよ」って言われても
私が張ってると思ったら張ってるんですよね。だから周りの目じゃなくて自分の目に許されることが非常に重要という気持ちも分かります。
先天異常を持たなかった自分ですらそう思うんです。
実際に口唇口蓋裂をお持ちの方のコンプレックスとの戦いは想像以上のものだと思います。
だから親にできることって「情報収集」「選択肢の提供」「常に味方でいること」だなって思ったんですよね。
より良い病院は?より良い治療法は?万が一いじめられて苦しんだ場合の具体的対処法の知識、
戦略的逃げ道、子が障害を気にせずのびのび過ごせる居場所の情報などなどなど。
勿論子自身は子自身で自分のことを考えていく必要はあるけど
子より長く生きて知恵もある大人だけが掴める多くの情報や知識があるのも事実です。
だからできるだけ多くの情報を収集して子の選択肢や視野を増やす手助けをすることだけは怠らずやっていこうと思いました。
実際に病やコンプレックスと戦い、どう生きるか選ぶのは子自身です。
情報を集めることと、いつでも背後に「帰れる場所があるよ」っていうのを示せるだけで今のところ親になる自分達にやれることは十分なのかなと思ってます。
こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど「母親なんだから病気の息子のためにあれもこれもしなきゃ」とはなるべく思わないようにしてます。
こちらが気負いすぎて潰れたら元も子もない。
シンプルにできることをコツコツやるしかないもんね。
県内の口唇口蓋裂に強い形成外科のある病院も色々調べたけどネットの情報だけじゃ薄いので周りにも色々聞きながら生の声も集めていきたいなと思います。
とりあえずXのアカウントを作成しました。
超ネット人見知りなのでうまく情報収集できる自信は全然ないんですが(笑)
調べると口唇口蓋裂の当事者や親御さん方で集まれる会みたいなのも開催されているようなのでいつか参加もできたらいいなと思っています。
病気関係なくフォローしてくださる方がいれば幸いです^^
前にちょっと語った「いつか色々な悩みを持った人が集まれる居場所作りをしたい」夢も
このアカウントを通じて進められればいいなと思ったりなんだりしてます。(#いつになるやら)
既に広がった新しい視野
実際に子にハンディキャップがあることを知っただけでも随分私の世界は変わりました。
元々ドラマでこの病気のことを知っていたとはいえ、今までさほど考えたこともなかった病気です。
口唇口蓋裂に限らず世の中色々な病気や障害があって色々なことを抱えてる人がいる。
なんか月並みなんですが世の中ホンットーに色々な人がいるってことを改めて実感させられました。
だからこそ当事者の方を苦しめている外見いじりや差別・偏見・イジメが本当に人生1周目ですね?ってくらい浅はかな行為だってことも身に染みて分かりました。
私だってまだまだ視野ド狭のポンコツですけど、よほど人生井の中の蛙やってないと他者の外見いじりなんてできるもんじゃないなってこともものすごく理解しました。
このブログを通してずーっと言い続けてるけどまだまだ自分の中に蔓延ってる偏見がたくさんあります。
もう〜〜早いところどんどんぶっ壊していきたいって更に思いました。
まるで自分が「道路にある小さな水溜まりを海だと思って生きてるアメンボ」みたいに思えてきちゃった。
そして実際差別や偏見というのも狭い世界で生きてることに気付かないからそういう思考になるんだろうという結論に至りました。
はよ海を泳げるようになりたいですね。
どう考えても海で泳いだほうが気持ち良いだろこんなの(なんの話?)
例えば今まではコロナが収束に向かってる中、それでもマスクをつけ続けてる人に割と否定的でした。
世の中全体が表情の見えないコミュニケーションを取り続けることに違和感を感じていたのもあるし、
日本特有の同調圧力を象徴しているかのようですごく不気味で気持ち悪かったんですよね。
でも口唇口蓋裂当事者の方でこの「マスク社会」が非常にありがたかったと声にしている人は多くいました。
今でこそその意見にも大いに納得できるし、自分の中の不安がとれるまでマスクをつけることは全然悪いことじゃないって思える。
でも以前の私はそうは思えなかった、というかそこまで頭が回らなかったんですよね。
それだけでも考え方をガラリと変えてくれました。
今まで見えていなかった世界が見えるようになった瞬間でした。
自分を責めることもあった
口唇口蓋裂になる原因は妊娠初期に異常な力が加わったり、母体の栄養障害、精神的ストレス、薬や鎮痛剤の影響など様々言われていますがはっきりとは分かっていません。
遺伝の影響もあるし、母体だけの問題じゃない場合もあったりと要因は様々です。
そらぁ色々考えました。
妊娠が分かる直前まで走り回って重いものを運ぶ仕事をしていたし、不妊治療のストレスも当然あったと思います。
妊娠が分かった周期では排卵誘発剤の副作用でOHSS(卵巣刺激症候群)になって腹痛で入院一歩手前にもなりました。
不妊治療後半からは「もう何もかもやめたい」と自暴自棄になって葉酸もほとんど摂取してない時期もあったり、
妊娠してからも悪阻でまともに食事ができない日もたくさんありました。
振り返れば思い当たる節はいくらでもあります。
「私のせいかもしれない」と思ったことも勿論何度もありました。
でもさ思ったところで結果は変わらないし、どうしようもないです。
ちょっと話は飛びますが、常日頃仕事で部下やパートさんがなにか起こしたとき
「問題は起こるものだからしょうがない。一番罪なのはそのことで自分を責め続けてずっと落ち込んでること。それさえしなきゃ満点」とよく言っていました。
社歴を重ねて仕事全体も見えるようになって人に指示・教育するような立場になると
「私のせいで…私なんか…」と落ち込む時間があるなら「次からどうすればいいか。解決するには今何をすればいいか」考えて動いてくれる方がどれだけ良いかというのを心底実感します。
誰もトラブルを起こしたくて起こしてるわけじゃない。そこを責める人は誰もいない。
問題なのはそのことをいつまでも引きずって"次"を考えることを放棄すること。
仕事を通して「自分を責めて落ち込んでるだけの状態」が外からどう見えるか痛いほど分かってたので
いつか自分も同じような状況になったときには気をつけなきゃと思ってました。
まさに今このときじゃんって思ったんですよね。
職場の人に散々偉そうに言ってるくせに「自分はできません」じゃ話にならないじゃんって。
自分という上司に怒られないためにも(笑)そこはなるべく早く切り替えました。
「子供を持つこと」と「仕事」って正反対で語られがちですが、
仕事で得た考え方がこうやって「子育て」(まだ産まれてないけど)にも役立てるんだと思えたのは嬉しかったです。
きっと「普通」じゃない道のりになるだろう
子に先天障害があると分かった今、きっと思い描いていた育児とは全く違う形になるんだろうなと想像します。
予期せぬことで躓いたり悩んだり、本来ならしなくていい苦労や苦悩もあるのかもしれない。
でもこういう言い方は産まれてくる子にとても失礼なのかもしれないけど少し楽しみにしている自分もいるんですよね。
何も問題のない出産からの育児では絶対経験できないことが待ってるって約束されてるわけですよ。
今後口唇口蓋裂を通して他にも様々な事情を抱える子達と関わることも増えるかもしれない。
お恥ずかしながら今までハンディキャップがある人達に真剣に向き合って考えたことなんてほとんどありませんでした。
「なんとなく違う世界」って線引きしてた部分は否めません。
でも今となっては「ハンデがある子でも生きやすい世の中ってどんなだろう」って真剣に考えるようになりました。
子が産まれなければ絶対考えなかった・歩まなかったであろう人生が始まろうとしてる。
意外にも前向きな自分がいます。
また、確かに子は手術で治るとはいえハンデを背負って産まれてくることにはなるけど
私たち夫婦の元に産まれたら絶対オモロイぞ。多分後悔させへんぞ。(謎の関西弁)
っていう確信みたいなものがあります(笑)
父(夫)は職場の飲み会で終電逃したからといって会社の駐車場にテント張ってキャンプして一夜を明かすアウトドア頭おかしい男だし(褒めてる)
母(私)はコスプレもすりゃ同人誌も出しゃ、聖地巡礼が高じて日本全国ゲストハウス一人旅もしてたインドアアウトドア両刀女だし
子育てを手伝ってくれるであろう祖母(実母)も北から南まで登山しまくってたアウトドア元山屋おばさんだし
結構面白いメンツを揃えていると自負しております(笑)
夫婦でバイク乗りだから息子が「バイク乗りたい」って言ってもまず止めないだろうし、
家族旅行はおそらく山の中や道の駅で車中泊しまくるだろうし、今からどんな愉快なことしようか色々思案中だし、
逆にそういったアウトドア系が苦手だとしても両親(夫婦2人)とも超がつくほどド陰キャだから、インドア系もいくらでも対応可能だし。
結構アグレッシブな子供時代を過ごせると思うから楽しみに産まれてきな、と心の中でお腹の子にプレゼン中です(笑)
普通じゃない道のりも踏まえて「楽しい」と思ってもらえるそんな日々を一緒に過ごせたらなと今から思っています。
それがさ、私が一番楽しい(大前提の感情)
産まれてきたら大変すぎてそんなことも言ってられなくなるのかもしれないけど
ブログというのはいつだってリアルなものなので今は大口叩いておこうと思います(笑)
終わりに
「子が口唇口蓋裂」と聞かされてとりあえず今純粋に思ってること、やりたいと思ってることをつらつらとまとめて書いてみました。
こんなに楽観的で逆に良いのか?ってちょっと心配になったりもしますけど、とりあえず現状の自分はこう思ってるんだからしゃーない!
この気持ちでやっていくしかない!の気持ちです。
このブログも今後どうしたって口唇口蓋裂の話題が増えて、元々のブログの趣旨と離れていくこともあるかもしれませんが、
まぁこればかりは流れに身を任せてこれからもブログを書いていきたいと思います。
どうぞよしなに。
最後に余談。
病院から「口唇口蓋裂」診断を受けた翌日、何気なくテレビを観ていたらローランドが出ていて
「コンプレックスが一番燃料になると思ってるんですよ。コンプレックスで悩んでいるやつとかいたら、めっちゃ遠くに行ける燃料積んでる、めちゃくちゃカッコいいことだぜ、って思う」
って言ってました。
顔に出る外見的疾患だからどこかのタイミングで子がそのことをコンプレックスに思う日も遠からず来るかもしれないとは思っています。
私は口唇口蓋裂の親にはなるけど当事者ではないので「病気も一つの個性」なんて言うつもりはありません。
それは当事者だけが発していい言葉だとも思ってるし。
でも確かにコンプレックスは最大の燃料になるというのは自分に当てはめてもめっちゃ分かる。
だから「燃料にしてどこまでも遠くに飛べるように」。
そういう気持ちは当事者じゃないけど心の中に持っておこうと思いました。
もうね、ローランドあまりに良いタイミングであまりに良いこと言うから
とりあえず本買ったわ😂(笑)
ではでは、今日は長くなりましたがこの辺で。
かしこかしこ。
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