向いてないけど、母になりました。

ことごとく育児に向いてない30代女の日々奮闘記

妊娠したら役職外れた話

はいさいしらすです。

また母親学級行ったりと書きたいネタは溜まってるんですが今回は仕事の話をします。

 

女性のキャリア形成の話

私は今、スーパーでデイリー部門のチーフとして働いています。

妊娠してからは後任の男性が来たため、今はその人に仕事を教えながら

なるべく重いものを持たないような軽作業や事務をして過ごしています。

 

そんな折、先日店長に個別で呼ばれました。

何かと思えば「次の人事異動で後任の男性をチーフに昇格する話が出てる」と。

おぉ、それはおめでたい。

実質動けない私に代わってチーフのような仕事をしてるし、本人もずっと上がりたいって言ってたしな。

「それにあたって、しらすさんはチーフから降りることになると思う」と。

 

ついにこの時が来たか、と思いました。

SNSなどではよく見聞きしてた妊娠に伴うキャリア形成の問題がついに自分事になってきたと実感したときでした。

これってすごく難しい問題ですよね。

確かに後任の男性はまだ不慣れながらもチーフ代理の仕事を一生懸命頑張っています。

月1のチーフ会議に出席したり、残業なんかも今の私より遥かに多くやっていて

「役職手当ももらってないのにチーフの仕事をしている」ことへの不満も多少なりともあったと思います。

 

一方私としては、そりゃ身体的な面で今の私はチーフの仕事ができないのは事実なのでそういう流れになるのが致し方ないのは分かる。

でもそしたら妊娠した女性は、それだけで否応なしにキャリアを断絶されなければならないのか?

ましてやチーフから降りるということは役職手当がなくなるということです。

現在、出産後に国からもらえる出産手当金や育児休業給付金は産前6ヶ月〜1年の給与を基準とした額が付与されます。

妊娠前、どんなにガムシャラに働いていても出産直前に降格されたらその減った給料だけが評価の対象になるのです。

 

だからといって私がチーフとして居残り続けたいと言えば、後任の男性はチーフに上がれないまま今の仕事を続けることになります。

後任の男性も今、不妊治療に励んでいるそう。しかも私の段階より上の顕微授精・体外受精

かかる費用は保険適用とはいえ決して安くないのも知っています。

だから本当は是非チーフになって昇給して欲しい気持ちも当然あります。

 

でも本音を言えば、私自身だって昇格試験に受かってそれなりにプライドを持って今までチーフという役職をやってきました。

それがこんなにもあっさりその権利を失わなければならないのかというか悔しさがないといったら嘘になります。

だって仮に後任の彼が不妊治療の末、子供を授かったとしてもそれを機に彼自身が役職降格になることは万に一つもない訳ですから。不平等には感じてしまう。

 

言いたいことは言う

確かに私の会社では、妊娠した役職持ちの女性は一度退くのがセオリーです。

でも育休後、元の役職に戻れた人はまず見たことがありません。

いても何百人いる中の1人2人の世界。

 

このまましおらしく「そうですね、じゃぁ私もセオリー通り役職降ります」とは絶対に言いたくなかった。

プライドもあるけど、なによりここでそれを受け入れたらこれから続く下の女の子達も変わらず同じ理由で役職を失うことになる。

食い下がりました。

 

とはいえ会社とケンカしたいわけではなかったので(笑)

「役職を降りなければいけないのは理解できます。

現に変わらずチーフの仕事ができるかと言われればできないことも多いので降りることに異論はありません。

でもそうやって役職を降ろされて、手当を失った女性社員はその評価で国から子育て給付金をもらいます。そのことは知っていますか?

妊娠前どんなに頑張っても、どんなに会社に貢献しても国がその部分を見てくれることはないことだけは知っていて欲しい」と人事に伝えました。

(十分喧嘩腰やと言われればそれは謝る笑)

 

店長も不妊治療時代から私のことを支えてくれた恩人で援護射撃してくれました。

「これではチーフになった女性は全員、妊娠を機に役職を失うことになるんですか?それはあんまりでしょう」

 

人事も食い下がってきました。

「でも現にチーフの仕事そのものが出来ていないのだから、そういった場合男女関係なくその役職を続けることが無理なのはわかるだろう」と。

さらに反撃。

「様々な理由でチーフの仕事を続けられなくなる人は勿論多くいます。でも妊娠・出産だけは女性にしか起こらない。

"奥さんが妊娠したから"を理由に役職を外される旦那さんはまずいないということを分かって欲しい」

もう私の役職を降ろす降ろさないだのはどうでもいいというか、一人の力で何かを大きく変えられるなんて思ってなかったので、

それはいいとしてとにかく「今の働く女性の現状」を知って欲しくてめちゃくちゃ熱弁を振るってしまいました(笑)

 

とりあえずこの日の討論(?)はお開き。

 

後日、とんでもない展開に

後日、またまた店長に個別に呼び出されました。すると、

「やっぱり次の人事異動でしらすさんの役職は落ちるみたい。それで後任の彼がチーフに昇格するそうだよ。

でもしらすさんにはまた別の名前の手当がつくみたいだから給与自体は変わらないでいけるみたい!」と。

 

まじかよ

 

店長も「これにはさすがの俺もびっくりした。これとんでもないことだよ。多分史上初だよ」と。

なんだか事がうまく行きすぎて逆にビビってる店長(笑)

 

何か大きなものを変えられたという喜びと同じく申し訳なさすぎて、というか店長と同じようにビビるしらす

何はともあれ役職は手放すことになりましたが、給与だけでも守ることに成功しました。

「ありがとうございます」と「今度人事に菓子折り持ってきます」とだけ連呼してた記憶(笑)

 

この日帰宅して、夫とも話をしました。

人事に今の気持ちだけ伝えようと思って伝えたら、なんだかとんでもない展開になっちゃった、と。

もうなんか逆に怖い。絶対やかましい妊婦様と思われたよね。なんだかすごく申し訳なくなってきたということも話しました。

 

でも夫が「そんなこと思う必要ないよ。

これで今後しらすの後輩の女の子達も給与だけはしっかり守られるって安心できる道を作ったってことだよ。大きな一歩でしょ」と褒めてくれました。

 

仕事好きな私は不妊治療時代から「仕事との向き合い方」について夫と何度も話し合いをしてきました。

ときに男女の価値観が合わずぶつかることもあったし、理解されにくかったり逆に理解しずらいこともたくさんありました。

いやもう分かり合えないこといっぱいで辛かった!(笑)

でもあのときいっぱい話したからこそ夫にもこうやって「大きな一歩」と言ってもらえたのかなと思うと嬉しくなりました。

お互いにお互いへの理解は進んだ気はする。

 

人事には確実に「やり合うと面倒な女」認定されてると思うし(笑)

声を上げた分、やらなきゃいけないと責任に感じた部分も多くて本当にこれで良かったのか?

大人しく黙って役職降りて引っ込んだ方が後々良かったと思うかもしれないと今でもたまに思います。

でもねでもね、こないだ運転してたらたまたまちゃんみなの曲が流れたんだわ。

「美人」という曲のワンフレーズでね

『前例がないのは怖いかい ならお手本になりなさい』って流れてきたんですわ。

 

なんかもうめちゃくちゃ胸に刺さった。

 

仕事も育児もどこまでできるか分からないし、こんだけ息巻いといて早々に息切れしてどっちもボロボロになることだって十分ありえる。

それに対して陰口言われることもあるかもしれない。

でも陰口言われるくらい引き受けないと物事なんか変えられないんだよな!!!

今思ったことは後悔せず言葉にして行動して、そのあとのことはそのあと考える!!!

それでいんだよな!というかそう思わないとやってられん!

ウオオーやれるところまでやるぞ!!と、なんだかちゃんみなに説教されたみたいで気合が入りました。

60km道路を60kmで突っ走りました(ゴールド免許)

 

www.youtube.com

 

とりあえず話を聞いてくれてそれに応えてくれた会社には感謝しかないのであとは自分にできる事精一杯頑張って恩返しするしかやれることはないなと思っています。

 

流産後やっぱり仕事がしたくて、妊活時期を1年遅らせて仕事に専念しました。

「やるならとことんやらないと妊娠後後悔する」ことを身をもって知ったので

それからは発言の場では手を挙げまくったし、思いついたことはすぐ色々実践するようにしていました。

結果、不妊治療も相まって妊娠する時期はかなり遅くなってしまったけどあのときの1年が本当に今の自分を支えてると実感します。

人事がこうやって話を聞いてくれたのもあの1年のガムシャラがあったからだと思うし。

物事はなかなか思い通りにいかないけど、それによって想定外に物事が好転することもあると学びました。

何事も一長一短だなぁ。

 

余談

ちなみにその数日後、辞令が発動され人事一覧が全店に張り出されました。

当然彼がチーフに昇格して私の役職が下がったことを皆が知ることになります。

 

うちの店の男性社員は彼がチーフに上がったことを「やったな!」と喜んでいました。

私も「おめでとう〜!」って伝えたし、彼自身もすごく喜んでた。

早速チーフになった証明書と2ショット撮って奥さんに送ってたしね(笑)

 

ただ私と同年代の女性社員や女性パートさんだけはコソッと私のところに来て

しらすさん一時的に役職降りただけですよね?またすぐ戻りますよね?」

「そうじゃないとおかしいですよね。女の人だけ。割に合わないよね」とぼやいていました。

やっぱり表に出にくいだけで女性は皆同じような悩みや葛藤を抱えてる。

でしゃばり女だったかもしれないけどあの一歩は間違いじゃなかったと改めて思えることができました。

 

そんなこんなで産休まであと3ヶ月ないくらい。

有給とか使いながらなんとか最後までやっていきたいと思います。

 

それではかしこかしこ。

 

 

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