向いてないけど、母になりました。

ことごとく育児に向いてない30代女の日々奮闘記

不妊治療から学んだこと

私は今回約1年の自己タイミング法と9ヶ月の不妊治療の末(人工授精3回目)、妊娠しました。

こんな性分なので本当に子供が欲しいのか、いない人生を歩むのか。

本当はもっとゆっくりしていたい気持ちもあったけど時間は待ってくれない。

もがいて悩んで苦しんだ1年9ヶ月でした。

 

本当嫌な話、検査薬の2本線を見たとき最初に思ったことは

「やっとこの不妊治療の焦りや不安から逃れられる…」でした。

不妊治療があまりに辛すぎたのでどうせ今後の妊娠生活・出産・育児もしんどいんだろうから「第一関門突破」程度にしか思ってなかったのもあるかな。(どんだけネガティブ)

 

不妊治療で辛かったこと

不妊治療で辛かったことは挙げればキリがないほどあるんですが、

まずは自分の将来に対する明確な道がいつまで経っても決められないことでした。

私は不妊治療を始める際、どうせ早めに妊娠すると高をくくっていたので

職場に迷惑かける前に…と結構早い段階から職場にそのことを伝えていました。

とてもいい職場なので配慮の上、異動もなく今のポジションで働かせてもらってたんですが

半年経っても1年経っても妊娠する気配はなく。

職場に伝えてしまった手前、今の私は異動することも昇進することもない。

周りがどんどん子供ができたり、昇進してバリバリやっていってるのに私はずっと同じ場所。

RPGでいうところの右や左に分かれてる道を皆は先に進んで行ってるのに

自分だけひたすら壁に向かって進んでるように感じられました。

とにかく人と比べやすい性質だったのであのときはもう焦って焦ってどうしようもなかったです。

 

あとはこんなにも人生思い通りにいかないことがあると思い知ったことでした。

一言で言えば今までの私は恵まれていました。

性格に難があるので今までの人生イジメがあったり孤立したり色々なこともあったけど、

こうして高校・大学と順調に進学して、気の許せる友達もできて、就職もして新卒の会社でそれなりのポジションまでいけることも出来ました。

勉強もバカだったけどなんとかなったし運動は得意だったので困ったことはほぼありません。

都度転ぶことも多かったですが、頑張ればなんとかなってきた人生でした。

でも不妊治療だけはその概念が頭からひっくり返されました。

頑張ったからできるものでもない。できる人は何してもできるし、できない人はできない。

これまでとは勝手の違う難題に本当に困惑し尽くしました。

 

職場のトイレで生理が来たその横で、マタニティマークをつけて出勤してきた女性社員の方を見かけて苦しくなることもありました。

(私が職場にマタニティマークをつけないと決めてる理由はここにあります)

「愛しい我が子が欲しい」なんてそんな綺麗な理由じゃありません。

自分がガキでどうしようもないのは分かってるんですが、

『皆が手に入れてるものを自分はどんなに行動しても手に入れられない。』

その事実がただただ悔しかったのです。

(書けば書くほどやっぱ子育て向いてない思考回路で自分で自分に引く…笑)

 

でも逆に不妊治療を経験したからこそ得られたこともたくさんありました。

 

不妊治療をして得られたこと

夫婦の絆は確実に深まりました。

ここに来るまでに何度話し合って、何度泣いて、何度怒鳴り合って喧嘩したか分かりません。

感情的な私とは対照的に普段の夫は冷静で本音を隠しがちです。

でもやっぱり結果の出ない日々に次第に夫も追い詰められていって、沢山本音を吐き出さざるを得ない機会もたくさんありました。

今までそこまで大きな喧嘩をしたことがなかったのでそれはそれで良かったのかもしれない。

今のこの妊娠生活が"当たり前のものじゃない"ことを今回の件でお互い身をもって知ったので、

なんというか夫婦の中に小さいながらも『覚悟』みたいなものが生まれたような気がしています。

夫のサポート面も(元々家事とかやってくれるけど)更に手厚くなってくれているし。感謝。

 

あとは世の中には色々な人がいるという視野が広くなれたことです。

頑張ればなんとかなってきた日々を送ってきたので今思えば視野の狭い世界を生きてました。

不妊治療を通して「世の中にはどう頑張ってもどうにもならないことがある。そういったことを大なり小なり抱えてる人はたくさんいる」ことを知りました。

もしこれがなんの苦労もせずそのままストレートに妊娠していたら

平気で「あの人子供いないのかな」なんて酷い言葉を投げかける人間になってたかもしれない。そう考えると空恐ろしいです。

また、不妊をきっかけに「子供のいない将来」についてもじっくり考えたお陰で"子供は作らないと決めている"選択子なし夫婦の友人たちもできました。

この友人たちとは何年にもわたって「子供」についてたくさんの意見を交わしてきました。私にとって大きな財産です。

「人の数だけ選択肢があって、その全てが尊重されるもの」ということをこの不妊の2年近くの間にいっぱい学ばせてもらったという実感が強いです。

やっぱり人間、自分がなった立場のことしか分からないことが多いです。

私にとって「不妊治療をする」ことは間違いなく今までになかった立場に身を置かれた経験になりました。

世間で言うところの「少数派」になったことで見えてくるものもたくさんありました。

人それぞれでいいのにいかに「多数派」の力が強いのかも思い知りました。

 

ということで間違いなく人生TOP5に入るレベルには辛い日々だったけど、それ故に学んだことも多かったです。

もう1回経験したいかと言われたらもうごめん被るけど(笑)お気楽で何も知らなかった私には必然的に通らなきゃいけない道だったのかもしれないなぁと思ったりもします。

 

もし今後同じ悩みを抱えてる人がいたら親身に話を聞いてあげたいと心から思えるようになっただけでも良かったのかなと思います。

 

ではではかしこかしこ。

 

 

良かったらクリック・読者登録よろしくお願いします!

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキング